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kirishima
やまのこゑ、いにしえの道
幕末の日本において、アメリカの外交官タウンゼント・ハリスと、幕府の大老・井伊直弼は、日米修好通商条約の締結を通じて深く関わりました。ハリスは井伊直弼をどのように評価していたのでしょうか。一次史料であるハリスの日記や書簡から、その実像を探ります。
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ハリスは、井伊直弼を「誠実で勇気ある指導者」として高く評価していました。彼の決断力と責任感に感銘を受けていたことが、日記や書簡から伺えます。
「公正で聡明、そして勇気ある人物である」
「彼(井伊)がいなければ、条約は成立しなかっただろう」
井伊が朝廷の勅許なしに条約に調印するという、当時としては極めて大胆な行動に出たことに、ハリスは「日本にもここまで現実的な判断ができる指導者がいた」と驚きと敬意をもって記録しています。
ハリスは、井伊直弼の前任である堀田正睦を「誠実だが優柔不断」と評価していました。堀田は条約草案には同意したものの、朝廷の許可を得ることに固執し、最終的に失脚しました。一方、井伊は国家の安定を第一に考え、自らの責任で決断を下しました。
ハリスにとって井伊直弼は、「交渉を前進させる相手」であり、外交官として理想的なパートナーだったのです。
井伊直弼がその後「安政の大獄」で反対派を弾圧していく様子を知ると、ハリスは日本国内の不穏さや体制の不安定さを感じ始めます。
「独裁的すぎるのではないか」
「開明的だが、反発も大きい人物だ」
この点で、井伊の政治手法には一抹の不安を覚えていた節があります。
視点 | 内容 |
---|---|
交渉力 | 条約成立に不可欠な現実主義者として高評価 |
人間性 | 聡明で決断力があり、公正 |
政治姿勢 | 勇気ある決断を評価しつつ、弾圧政策には懸念 |
全体評価 | 「偉大な交渉相手であり、歴史に残る指導者」と見ていた |