宇陀松山城跡を歩く 〜歴史と遺構を訪ねて〜
kirishima
やまのこゑ、いにしえの道
2025年8月7日、京都の美術館「えき」KYOTOで開催中の「やなせたかし展」に行ってきました。アンパンマンの生みの親・やなせたかしさんは、詩人、絵本作家、イラストレーター、漫画家など多彩な顔を持つ人物。今回は妻に誘われ、興味津々で足を運びました。
やなせさんは赤字に苦しむJR四国のために、アンパンマンのキャラクターのライセンスを無償提供したエピソードが有名です。まさに、困っている人に自分の顔をちぎって助けるアンパンマンの精神を体現していると感じました。
やなせさんは伊勢平氏の末裔とのこと。歴史好きの私には感動的でした。また、生誕地については東京説と高知説があり、未だに定かではないという面白い事実も。
撮影禁止のため写真はありませんが、実弟・千尋さんが戦死したことに関する詩が展示されていました。優しい言葉遣いながらも深く心に刺さる文章で、やなせさんの人柄が伝わります。
漫画家として活動を始めたものの、手塚治虫のストーリー漫画の台頭で一コマ漫画や風刺漫画は衰退。しかし「手のひらを太陽に」の作詞や、手塚治虫作品『千夜一夜物語』の美術、永六輔『見上げてごらん夜の星を』の舞台美術など、多彩な仕事で苦境を乗り越えました。
アンパンマンを世に出した際、関係者からは「売れない」と批判されましたが、不思議なことに5歳以下の子供には大ウケ。その人気が広がり、今や国民的作品になりました。幼児だけの心を掴む作品を作ることの難しさと奥深さを感じます。
展示物を見て回るだけで予定時間を大幅に超過。やなせさんの多才な活動と温かいメッセージに触れる、充実したひとときでした。